劇団EXILE華組
第3回公演
KILL THE BLACK


■あらすじ

温暖化の進行によって溶け出した北極の氷から、空中の飛散した古代のウィルスが世界中に蔓延。各国で「リビングデット<生ける屍>」が大量発生。未曾有の「ゾンビ禍」に世界は見舞われていた。
感染は瞬く間に広がり、日本でも人口の約1/3の感染者を出してしまう。感染者は生物学上はすでに死体であり、理性を失い人を襲うこともあったが、平常は意識・理性もあり、特殊な薬剤によって身体の腐敗を抑制すれば、かろうじて生活できることから、自らの「人権」を強硬に主張。
対して、「生ける死体」を<埋葬>すべきであるとする非感染者との間で主張は食い違い、両者敵対の気運は急速に先鋭化していった。パンデミック<感染爆発>が発生した際、国民のなかで比較的富裕層に位置した者たちは、潤沢な経済力を武器に対策を講ずることで難を逃れたため、感染者の多くは貧困層であった。この事実が、<感染者/非感染者>間の争議に、階級闘争の意味合いをもたせ、<感染者/非感染者>間での内戦に突入する。しかし、政府は、感染者たちの肉体の腐敗を食い止めていた薬剤の製造を法律で禁止。これによって、肉体の腐敗を抑える術を失った感染者たちは次々と死亡。内戦は短期間で沈静化していった。

しかし、未だに感染者たちの勢力が衰えないある島があった。絶海の孤島、鯵瑠島(あじるしま)…。
島で感染者たちは「クロ」と呼ばれ、内戦が終結した今でも非感染者の脅威足り得ている。非感染者からの情報によると、「クロ」の中に腐敗っを食い止める薬剤を違法に調合・供給している人物がいるらしいのだ。

県議員の湊は、政府の命令によって島の感染者を殲滅するため、感染駆除のライセンスを有する民間人<埋葬屋>を伴って、極秘裏に島に上陸する。
湊らは感染者たちの居住区域から、クロに薬剤の供給を行っていた医師を拘束してくる。しかし、感染者たちに包囲され、ロッジに立て篭りを余儀なくされてしまう。そして混乱の最中、湊の感染があきらかとなると、仲間たちは湊を追放してしまう。クロの群れの中に放逐された湊は…。


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